PR

中国の大学を目指すなら知っておきたい新テスト「CSCA」とは

■学校教育・受験対策
当サイトの記事には、広告が含まれている場合があります。

「海外大学で、英語で学位を取りたい」

そう考えたとき、真っ先に思い浮かぶのはアメリカ、イギリス、オーストラリア、あるいは最近人気のアジア圏ならマレーシアやシンガポールあたりでしょうか。

一方で、世界大学ランキングではここ数年、清華大学や北京大学をはじめとする中国の大学がアジア上位・世界上位に食い込むなど、その存在感を着実に高めています。

もし今、進学先の選択肢を広げている最中なら、お隣の国で起きている「ある変化」を知っておいて損はありません。

2026年から、中国の大学入試は大きな転換点を迎えています。

この記事では、新たに導入された統一試験「CSCA(China Scholastic Competency Assessment)」について、特に「英語で学位を取りたい」と考えている方向けに、現時点でわかっている重要ポイントをサクッとまとめます。

なお、CSCA自体は、中国語で授業を受ける学部(本科留学)志望者も対象となる試験ですが、本記事では主に「英語で学位を取りたい方向け」の観点から整理しています。

そもそもCSCAとは?

CSCAの正式名称は、China Scholastic Competency Assessment(中国学術能力評価試験)です。

CSCAはどんなテスト?

CSCAは、留学生の学力を公平に測ることを目的に新設された標準化テストです。

日本でいえば留学生向けEJU+共通テストを、留学生版としてまとめたようなイメージです。

アメリカのSATやACTと同じく「大学出願時に使う共通試験」ですが、CSCAは数学や理科の内容がより専門的で、科目試験に近い構成になっています。

CSCAは誰が対象?

2026年から: 中国政府奨学金を使って学部に入りたい人は「必須」です。

トップ校志望者: 北京大や上海交通大など、一部のトップ大学では、IBやSATスコアに加えてCSCAスコアを求める動きが出てきています。

2028年までに: 原則としてすべての学部留学生を対象とする方針が示されています。

つまり、これからの中国留学において避けては通れない試験となります。

ここでご紹介している内容は、2026年1月時点で公表されている情報をもとにまとめていますが、最終的な要件やスケジュールは大学や年度によって変更される可能性があります。そのため、出願の際は必ず各大学の最新募集要項や公式サイトをご確認ください。

中国の「英語学位」志望者への影響

中国の大学の英語学位コース(English-taught programs)に行きたい方にとって、CSCAは大きく2つの特徴があります。

1.多くの英語コースではCSCAの「中国語」科目は免除されるため、出願段階でHSKスコアを必須としないケースが増えています。

2.文系・理系を問わず、「数学」は全員必須です。 大学によっては、文系学部でも数学のウェイトを重く見ています。

※なお、中国語要件や必須科目は大学・専攻ごとに例外もあるため、自分の志望校ではどうなっているかを公式情報で確認しておくと安心です。

CSCA試験概要(科目・時間)

英語で学位を取得するコース(English-taught programs)を目指す場合、試験の受け方が中国語で学位を取得する本科留学とは異なります。

CSCA試験の構成とレベル

CSCAは、大きく分けて2種類の科目群で構成されています。

1. 専門中国語(Professional Chinese/专业中文) 「大学の授業についていけるか」を測るアカデミックな中国語試験。文系(Humanities)と理系(STEM)に分かれています。試験時間は90分、出題数は80問。

2. 基礎科目(Fundamental Subjects) 数学、物理、化学の3科目。これらは「中国語」または「英語」の好きな言語で受験可能です。試験時間は60分、出題数は48問。

各科目のスコアは0-100点で、パーセンタイルも出ます。

オンライン型式の場合、結果は7日以内に公表されます。

英語学位を目指す方向けの基礎科目は以下の通りです

科目名言語試験時間設問数特徴
数学英語60分48問全員必須。代数、幾何、解析など
物理英語60分48問理工系・医学系で必須となる場合が多い
化学英語60分48問医学系などで必須

いずれの科目も60分で48問を解くため、1問あたり約75秒で処理するスピードが求められます。

中国語で学位を取りたい人(従来の本科留学)は、これまではHSKのスコアが主流でしたが、今後は、多くの大学でCSCAの専門中国語が重視されるようになります。

CSCA受験環境とルール

現在は主に自宅でのオンライン受験(監視付き)が実施されています。

PC要件: 現在のオンライン受験システムではMacOSがサポートされていない案内が多く、Windows PCが推奨・必須とされています。

禁止事項: 電卓の使用は一切禁止されています。日本の共通テストよりも短い時間設定で、よりシビアな計算スピードが求められます

実施時期: 年5回(12月、1月、3月、4月、6月)実施され、欧米やアジアの異なる入学時期に対応しています。

受験料: 1科目450元(約1万円)、2科目以上700元(約1.5万円)です。

高校生への影響と対策

この新制度は、「中国語ができなくても、英語と数学ができれば評価される」という明確なメッセージでもあります。

IB / Aレベル / AP・SAT生の方へ: 特にトップ大学や奨学金狙いの場合、既存の試験(IB・Aレベル・AP・SAT)と並行してCSCAのスコア提出が求められる二重負担になる可能性があります。特に「電卓なしの数学」への慣れが必要です。

日本の一般高校生の方へ: 出題範囲自体は日本の高校数学(数I〜III)と重なりますが、英語の専門用語をマスターする必要があります。

本記事はあくまで全体像をつかむためのガイドです。実際の出願では、出身高校のカリキュラム・志望大学・専攻によって必要な科目やスコアが変わるため、公式サイトや最新の募集要項で個別に確認することをおすすめします。

まとめ

「海外大学で、英語で学位を取りたい」 そう考えるなら、選択肢のひとつとして、この新しい中国の入試制度をウォッチしておいて損はありません。

まずは志望大学がCSCAの必須リストに入っているか、確認することから始めましょう。

情報収集を進めるときは、志望校名とあわせて「CSCA admission」「CSCA requirement」「English‑taught program」などのキーワードで検索し、「必須科目」「スコア目安」「受験回数・方式」をチェックしておくと、各大学の最新動向をつかみやすくなります。

まだ具体的な志望校が決まっていなかったり、中国を選択肢に入れるか迷っていたりする段階でも、今のうちから英語での数学リテラシーを少しずつ高めておけば、CSCAを受ける/受けないどちらの道を選ぶことになっても、将来の進路の選択肢を広く保つことができます。

海外進学や新しい制度の情報はときに不安をかき立てるものですが、「知らないから怖い」を「知っているから選べる」に少しずつ変えていければ、それだけでも十分に意味のある前進です。

CSCAを受けるかどうか、中国を選択肢に入れるかどうかは、あくまで数ある選択肢のひとつにすぎません。

大切なのは、自分や家族にとって納得感のある進路を選ぶことであり、この記事がそのための考え材料のひとつになっていたら、とてもうれしく思います。