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家族とのコミュニケーション、変えてみたらこうなった

ペアレンティング
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今回の主人公は、「子どもとの時間を楽しめない保護者へのアドバイス」と同じAさんです。

同じ主人公ですが、記事としては完全に独立したものですので、両方読まなくても大丈夫です。

今回は前回と違って、「ご相談とアドバイス」ではなく「事例紹介」のような内容です。

母親として自信なさげだったAさんが家庭内のコミュニケーションに努力をされている姿に心を打たれましたので、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと思い書いています。

前回同様、私を信頼してデリケートなお話をしてくださったAさんとご家族に感謝するとともに、こうして記事化することにご快諾いただけたその寛大さに敬意を示しながら、掲載させていただきます。

やりとりの背景

前の記事と重複しますが、Aさんのご紹介と、やりとりの背景を説明します。

  • Aさんは小学校のお子さま2人のお母さん
  • ボーディングスクール進学に興味があり、私の「学校調査代行」サービスにお申し込み
  • そのやりとりのなかで、母親として自信がないことを打ち明けてくださった(>>詳細記事

ここまでを取り上げたのが、前回の記事でした。

「学校調査代行」では、ご依頼者の希望や条件に近い学校リストを作成し、各学校の情報をまとめます。海外の学校について知りたいけど、前提知識や語学力や検索力に不安がある方、より多くの情報を見比べたい方、ただ忙しい方などにご依頼いただくことが多いです。

この記事では、当初のご依頼「学校調査代行」を通じてAさんが見せてくださった努力の経過を追います。

その前に、少し経緯をさかのぼります。

学校調査代行のウラの目的

そもそもの学校調査の目的は、家庭や生徒の条件や希望に合う学校リストを作成し、その情報を入手することです。

これは大事な進路を決めるときに誰しも自然とやっていることですね。

さらに私は、学校調査にはウラの目的もあると考えています。

学校調査の目的は、条件に合う学校をピックアップすることだけではありません。

学校調査のウラの目的

  • 学校に対する印象や感想を言語化する
  • 印象や感想は家族一人一人違いうることを知る
  • 家庭内で意見交換をする
  • お互いの印象や感想の影響を受けて、当初の条件や優先順位が変わりうることを知る
  • 家庭内の話し合いを経てよく練られた進路は、生徒の納得感やモチベーションを高めてくれる

進路や学校についての知識を親と子どもで同じレベルまで高められたら、親子間・夫婦間の価値観をすり合わせやすくなります

それが、学校調査のウラの目的です。

学校調査を通じて価値観をすり合わせる方法

私が提案しているのは以下の手順です。

私が提供する学校リストには、学校の比較表だけでなく動画や写真へのリンクも含まれています。そちらをまず家族で確認してもらいます。

すると、いろんな反応や感想が親目線/子目線で出てくるはずです。

まずはその感想を「希望条件」の言葉に置き換えて以下の3つに分類します。

  1. Must(絶対希望)
  2. Want(できれば希望)
  3. Don’t Care(気にしない)

すごく気に入った学校があれば、気に入った理由を抽出して希望条件として書き換えます。

たとえば「この学校では体育の単位にヨットが選択できるのがいい」と思えば「ヨットが選択できる」という希望条件に言い換えて、1〜3のうちどれくらい希望するかに応じて分類します。

否定的な感想も希望条件として分類できます。たとえば「この学校の制服はかわいくない」という感想があれば、「制服がかわいいこと」という希望条件に言い換えて、同じように分類します。

ほかにも、学校の所在エリアや住環境、生徒数の規模感、クラスの規模感、カリキュラムの特色、進学実績、サポート体制、課外活動など、チェックどころはたくさんあります。

この分類表は、家庭としてひとつにまとめてもいいですし、子ども・保護者それぞれに分けてもいいです。

また、その内容は時間とともに増えたり減ったり、優先順位が変わったりしていくのは当然です。

とにかく、希望条件の言語化と分類をすることが一連の流れです。こうすることで、家庭内の対話が増えたり、学校を客観的に見やすくなったりします。

また言語化できることで、私のような外部のコンサルや、塾の先生や、学校の担任や親戚などの第三者にも進路の相談をしやすくなります。

希望条件の言語化をしてみて

話をAさんに戻します。

Aさんは、早速実際に家庭内で話し合ってつくったリストを感想とともに送ってくださりました。

上の子が髪型や髪の色のことを絶対条件に持ってきたことと、下の子が体育を絶対条件でやりたがっていることが特に意外でしたし、なぜだか嬉しい発見でした。

今回教えていただいた手順を自分たちなりにやってみて、このように子どもの新たな一面や学校への期待が少しわかり、それだけで実りある作業でした

この効果を感じてもらえたこと、それを報告してくださったことが私も嬉しかったです。

そして、当初の面談では見えていなかった子どもたちの側面が見えたのは、Aさんにとってだけでなく私にとっても収獲でした。

このように、たとえ每日顔を合わせている家族であっても、言語化してみて初めて知ることがあります。

そして、お互いの意見も影響しあって、それはさらに変化を遂げていくと思います。

変わること自体は悪いことではないですし、対話や共通言語を持つことに意味があるので、ぜひ今後も続けていただきたいです。

Aさんがこんなふうにおっしゃっているのも印象的でした。

返答はどうであれ今の子どもの感覚が知れること、子どもに「こんな学校もあるんだよ」って見せられることは我が家にとってとても有意義なことです。

私もその現象に少しでも関われることができて、とても嬉しいです。

当初は母親としての自信が低いとおっしゃっていたAさんですが、ここだけ見ると、子どもの声をよく聞き尊重しようとしているようにしか見えません。

夫婦間の意見のすり合わせ

ここまではAさんと子どもたちのすり合わせでした。

今度は夫婦間のすり合わせです。Aさんからは、ご主人の様子をこのように伺いました。

学費の心配が大きく、主人はかなり消極的になっています。

経済的な問題はありますが、奨学金という望みもありますし、こればかりは申請して合否と学費の返事をもらうまで入学できるかどうかは分からないので、ボーディングスクールの受験は子どもたちと一緒に、主人に都度相談もしつつ、他の選択肢も常に視野に入れながら、挑戦してみようと決意

主人と心を合わせて子どもの進学先探しや受験取り組みたいなぁというのが自分の本音

タイミングを見て主人に自分の本音を伝えたいと思います。

ここで伺う限り、ご主人は出願自体に消極的ですが、Aさんは出願してみないとわからないというところで、少し考えが異なるようです。

この時点でもすでにAさんは、ご家族の意見を聞かれていたり、いろんな可能性にオープンでいようとしていることは、素晴らしいと思いました。

ちなみにボーディングスクールは確かに特殊で魅力的な教育環境ですが、家族の経済事情や価値観を曲げてまで「必要な」教育かというと、そうではないかもしれません。

いずれにせよ、出願までは数年ありますし、Aさんのご家庭では今すぐに出願するかしないかを決める必要はないと思います。もちろん時期が来たら出願だけして結果を見てから決めることも、一つです。

という考えを私はAさんに伝えました。

実践報告

またしばらくして、Aさんからその後の連絡をいただきました。

気持ちを主人に話してみました。

「いつも私の意志を尊重してくれて、そして家族のために一生懸命働いてくれて大切にしてくれてありがとう」「意見は当然違っていいから、子どもの教育や進路にもっと心を合わせて取り組めたら嬉しい」と伝えました。

それに対して主人は「仕事のことで大変で、子どもの進路に関心がないわけではないが、数年後のことを私と同じ熱量で考えるのは今は難しい」と正直に答えてくれました。

主人の仕事の様子を少しは私も知っているので、「それはそうだよね、私も焦らずに、けれど率先して先のこともしっかり考えつつ、まずは〇〇を頑張ってくるね」と話が一旦まとまりました。

主人は「中学入学が近くなったらもっときちんと相談のれるからね」とも言ってくれました。

自分の気持ちを素直に伝えられたことがすごくよかったです。

これからも海外のボーディングスクール含め、いろんな学校を視野に入れて、まさに「英語で学ぶ技術」「社会や勉強そのものへの関心(我が家の場合、好きなことを見つけて極め、それを通じて社会と繋がってほしい)」を育んでいきたいと思っています。

率直に素晴らしいと思いました。

Aさんがこうして一歩ずつ、自分に対して、子どもに対して、配偶者に対して、できることから取り組んでいらっしゃる様子に、思わず私も勇気づけられました。

そもそもAさんから私のサービスにご依頼いただき、惜しまず情報をくださったからこそ、私も関連する情報提供ができました。

Aさんは、私を信頼してくださったからこそ、私の言葉も受け入れて実践につなげてくださりました。

さらにAさんは実践だけでなく報告までしてくれたからこそ、私もフィードバックができてより効果を実感できたのではないかと思います。

私からのアドバイス

この前後では、私からボーディングスクール以外の選択肢アイディアや効果的なコミュニケーション法についての情報をいくつか送っていました。

そのこともAさんが冷静に会話ができたことにつながっていると思います。

私からしていたアドバイスのひとつは、「アサーティブ・コミュニケーション」という考え方でした。

アサーティブ・コミュニケーションとは

初めて聞く方にはわかりにくいと思うので、日本での第一人者でいらっしゃる平木典子さんの著書『アサーション・トレーニング』から事例を引用します。

あなたには高校生の息子がいます。夏休みのある晩、友だちと花火大会に出かけ、夜中の二時に帰ってきました。あなたは、十二時には帰ってくると思っていたので、何か起こったのではないかととても心配して、イライラしながら待っていたのでした。

非主張的(な反応):
帰ってきたのを見て、息子には何も言わず、黙って眠りにつく。

攻撃的(な反応):
「一体、今まで何をしていたんだ!今何時だと思っている!一晩中人を寝かせないつもりか。まったく思いやりも何もない奴だ」と、いきなり怒鳴る。

アサーティブ(な反応):
「とても心配したよ。十二時には帰ると言っただろう。だからすごく気になってね。大丈夫だったのか?遅くなると電話してほしかったな」と、相手を責めるのではなく、しかしはっきり自分の気持ちを伝える。


上記の引用では、高校生の保護者による3通りの反応が示されています。

3つめの反応であるアサーティブなコミュニケーションとは、平木さんの言葉を借りると「さわやかな自己表現」「自他尊重のコミュニケーション」を意味します。

ここには言葉遣いだけでなく、その裏の考え方や、非言語的な表現も含まれます。

また、対子どもや対目下だけではなく、あらゆる相手を想定しています。

コミュニケーションの「理想の型」と「自分(や相手)の癖」について学び、その差を縮めるテクニックをいくつか持っておくことは、対人ストレスの軽減につながるはずです。

Aさんには、この事例を紹介しておりました。そしてAさん自身も、コミュニケーションの「理想の型」と「自分の癖」とのギャップを認識し、自分なりにその差を縮める努力をされたそうです。

きっと私の見えないところでは、苦労されていることもあると思いますが、ここまで模範的な経過をたどると「もはや私は不要なのでは(^_^;)」と私が弱気になるほどのご報告でした。

Aさんご夫妻なら、この調子で乗り越えていけると思います。

まとめ

いまや保護者や子どもにとって、かつてないほど選択肢がたくさんある時代です。

選択肢が増えている分、選ぶのも難しくなります。

受験をするかしないか、学校選び、進路選択に限らず、子育ては選択の連続です。

決断の場面が増えると、必然的に利害関係者(主に出資者や子育て当事者、つまり配偶者や祖父母や子本人)との意見対立も増えますね。

建設的な話し合いならまだしも、相手の話を真っ向から否定したり、聞く耳すらもたないのは残念です。

判断を迫られる局面こそ、効果的なコミュニケーションをとりながら成長を喜びあえるといいですね。

今回は、「学校調査代行」から家庭内コミュニケーションの話題に及んだケースでした。

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