中高生がリベラルアーツ教育を体験する3つの方法【2023年版】

ボーディングスクール

萩原麻友(ハギワラマユ)のブログへのご訪問ありがとうございます。

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この記事では、こんなことを解説しています
  • リベラルアーツ教育とは
  • こんなひとにはリベラルアーツ教育をすすめない
  • 中高生がリベラルアーツ教育を試す方法3つ
  • もっと小さい子向けの取り組み方

私はかつてアメリカのボーディングスクールに4年間通い、本場の「リベラルアーツ教育」と呼ばれるものにどっぷり浸かってきました。

では自分に染み付いた「リベラルアーツ」がどういうものなのかを自分で完全に理解しているかというと、

大学の教育学部で教育論を紐解き、卒業後に社会に揉まれ、そして子を産んで育てている今になって、ようやくおぼろげに見えているのかな、というくらいですが。

それくらい深層まで染み込んでいるものだと思います。

そんな私が捉える「リベラルアーツ教育」、そして時代の流れとともに増えてくる&見えてくる選択肢の数々。

今の私だからいえる、今の中高生が体験できるリベラルアーツ教育事例を集めてみました。

リベラルアーツ教育とは

いきなり「リベラルアーツ教育」と言われても何のことかわからない方がほとんどだと思います。

アーツと入っていますが、「芸術」に特化した教育ではありません。

リベラルと入っていますが、「政治」に特化した教育ではありません。

「教養教育」と訳されることもありますが、じゃあ教養ってなに?

教育学的なうんちくは抜きにして説明します。

極限までシンプル化した私なりの「リベラルアーツ教育」とは、つぎの2つの質問に答えることです。

この2つの質問に答えようとするのがリベラルアーツ教育
  • Who am I? 私はなにもの?
  • How shall we live? 私たちはどう生きるべき?

深いですよね…

正解はない…

人によって方法は違う…

そして終わりがない…

余計わけわからなくなりますよね。

お察しの通り、別に知らなくても食べていけるだろうし、生きていくのに絶対必要なものではないです。

でも一部の層には強力に訴えかけるものがあるこの2つの問いとどう向き合うか。

決まった定義はないものの、「これが俺のリベラルアーツ教育だ」といわんばかりに堂々と「リベラルアーツ・カレッジ」を名乗る教育機関が、いわゆるアメリカの「リベカレ」です。

リベカレは、広く「横断的な知識」と「学問的お作法」を学ぶ仕組みが整っている、学部生に特化した4年制大学です。基本的には私立です。

この記事では、いわゆるリベカレで行われているようなカリキュラムに近い教育をざっくり「リベラルアーツ教育」と呼ぶことにします。

「リベラルアーツ教育とは」なんていろいろ言っても、受ける本人が実感してくれないことには埒が明かないので、私は手っ取り早く「試す」ことをおすすめします。

こんなひとにはリベラルアーツ教育をすすめない

これ以上進む前に、「こういうひとにはすすめない」ポイントをはっきりさせておきます。

リベラルアーツ教育の性質上、すでに「やりたいことが決まっている」「興味関心が尖っている」子には、無理にすすめる必要はありません。

分野をまたいで幅広く学び、その様式を水平展開していくタイプのリベラルアーツ教育は、特定の分野をとことん掘り下げていきたいひとにとって苦痛になりかねません

すでに「やりたいこと」「得意なこと」が決まっていて、そこに進みたがっている子にはそちらに特化した教育を探したほうがいいです。

結果的に、そこから波及してほかの学問にたどり着くこともあります。

逆に「興味があっちこっちに飛ぶ」「やりたいことは特に決まっていない/決めたくない」という子には、リベラルアーツ教育を試す価値があると、私は思います。

こういう子に「私はどんな人間で、どう生きたいのか」という問いと向き合わせてみると、仮説レベルでも答えが出てきて次にすすむ足がかりになることがあります。

ただし、打算的に効果を期待してやるものではありませんが。

加えて、注意書きです。

この記事で想定している受講生は、基本的には中高生以上、主に高校生です。

それ以下のお子さんはすぐに対象ではないかもしれませんが、5~10年後は意外とあっという間です。

申込に英語力が必要なものが多いので、今から準備をするつもりでお読みください。

中高生がリベラルアーツ教育を試すには

では本題。中高生はどうやってリベラルアーツ教育を「試す」かというと、以下の方法です。

リベラルアーツ教育を「試す」方法

  • 海外のサマープログラムに参加する
  • 国内のプログラムに参加する
  • オンラインのプログラムに参加する

早速ひとつずつ見てみます。

海外のサマーで「試す」

リベラルアーツ教育を試す1つ目の方法は、そのまんまですが、現場に行って体験してしまうことです。

アメリカの大学では、高校生向けのサマープログラムを開催しているところがあります。

まずは、この方法のメリットとデメリットを挙げます。

メリット
  • 一番リアルに体験できる
  • キャンパス・ライフや施設をまるごと体験できる
  • 他国からの留学生や現地生の交流が生まれやすい
  • 大学単位を早期取得できるものもある
デメリット
  • お金がかかる(飛行機、滞在、食費、観光など)
  • 長期間拘束される
  • 開催時期を自分で選べない
  • 在籍校とのスケジュールと合わないと調整が面倒

海外のサマープログラム例

ここでは、なかでも日本から直行便のある空港が近く、都会にも近いリベラル・アーツ・カレッジを中心に2023年に開催予定のサマーを探してみました。

ちなみに「直行便のある空港が近い」と「都会に近い」というのは、検索条件としてはかなり厳しいです。

どこでもよければ、ほかにもありますがあえて絞り込んでいます。

Barnard College | Pre-College Programs

ニューヨーク・マンハッタンにあり、コロンビア大の姉妹校である名門リベラルアーツ女子大です。

はぎわら
はぎわら

アンビシャスな女子高生に勧めたい!

2023年は、7月2日から8月11日までの間、2週間・3週間・7週間の滞在型サマープログラムを実施しています。

対象は、14歳以上で、高1、高2、高3、新高卒の女性です。

リーダーシップ、保健医療、イノベーション、食糧問題、STEM、文学、社会学、都市学、美術、ジェンダー学、ダンス、大学単位取得などのコースから選びます。

12月1日に募集開始、2月11日に早期出願締切、4月15日に最終締切です。

出願要件には英語力証明の記載がありませんが、高校の成績表と推薦状と英文志望動機(500語)を提出します。

Sarah Lawrence College | Pre-College Programs

ニューヨーク市のすぐ外にある共学のリベカレです。都会にもアクセスできながら、ゆったりしたキャンパスライフも楽しめるのが特徴。

はぎわら
はぎわら

リベカレはリベラル・アーツ・カレッジの略ね

こちらでは高校生向けの「映像制作」または「ライティング」の1週間講座を実施しています。

滞在型ではなく、通いですのでご注意を。

申込受付は2月から。

他の海外サマープログラムの探し方

ちょっと条件を厳しくしすぎてしまいました。

もう少しロケーションで妥協できるなら、以下のリベラル・アーツ・カレッジのリストからひとつひとつHPにいって調べてみると、条件が合うプログラムが見つかるかもしれません。

そもそも「リベラルアーツ教育」のサマーにこだわりがなければ、別の全体的なサマーの探し方の記事も参考になると思います。

国内プログラムで「試す」

リベラルアーツ教育を試す2つ目の方法は、日本にいながらできます。

最近は日本にもアメリカ式のリベラルアーツプログラムが確立されてきていますね。

まずはこの方法のメリットとデメリットを挙げます。

メリット
  • 時差や国境をまたぐ移動がない
  • 拘束される日数が比較的短い
  • 通いであれば、普段の生活との両立もしやすい
デメリット
  • 日本人が多い
  • 開催時期を自分で選びにくい

日本国内のプログラム

国内で参加できるリベラルアーツ教育系として知られるプログラムをピックアップしました。

HLABは夏休み以外でも受入れていますが、やはり夏休み開催のものが多いですね。

日本のプログラムは、日本の学校の暦と合わせやすいので、多くの方にとっては海外のよりも参加しやすそうです。

また、募集時期がアメリカよりあとなので、新学年度が始まってから予定を組めるのもいいですね。

HLABサマースクール

東京の下北沢、長野県小布施町、宮城県女川町、群馬県などを拠点にしている「学寮(カレッジ)生活を中心としたリベラルアーツ教育」がコンセプトのプログラムです。

高校生向けに「世界と出会い、自分と出会う1週間サマースクール」を毎年開催されています。

英語と日本語を使います。

実施時期は、去年の実績では8月の中旬。

去年2022年の募集は5月1日から開始していました。

選考には、日本語か英語で課題のエッセイを書いて提出します。

小松サマースクール

石川県小松市で毎年開催されるサマースクール。こちらも、日英を使います。

実はひとつめに紹介したHLABに触発されてローカルで始まったプログラムなんです。

実施時期は、去年の実績では8月の初旬。

こちらの募集期間は少し早め。去年2022年は、4月1日から開始していました。

選考には、日本語か英語で課題のエッセイを書いて提出します。

UWC ISAK Japan Summer School

長野県軽井沢にあるUWC ISAK Japanで毎年開催されるサマースクールです。

使用言語は英語のみです。

UWCとは、ユナイテッド・ワールド・カレッジという国際的な教育ネットワークの略で、日本を含む国々で高校を運営しています。

そのひとつのISAK(インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢)は、通年は各国のgrade10~12(高1〜高3)を対象として開校しており、最後の2年は国際バカロレアDP課程となっています。

そして夏休みには、サマースクールを開設し、国内外の13~14歳の中学生が集って共同生活をしながら学びます。

2023年の開催日程は、7月20日から8月1日までの約2週間。

今年の募集は1月15日に開始予定で、締切は3月1日。早いです。

出願要件では、エッセイや自己紹介動画の提出があります。

25カ国以上から80名を募集しているとのこと。単純計算で1つの国から3~4人です。

日本にあるだけに日本人同士の倍率は高めと予想されます。

東京大学教養学部「高校生と大学生のための金曜特別講座」

私の母校、東京大学の高校生もウェルカムな講座です。週替りのテーマで、東京大学の教授陣の講座に参加できます。

現在はオンライン配信のみで開講していて、高校を通じて協定を結ぶという手続きが面倒ですが、それさえ乗り越えれば費用もかからずに研究前線の講義が聞けるのは結構面白い。

たとえば「次世代のコンクリート ~植物性コンクリートから宇宙での建設まで~」とか、「ゲーテと医学 文学研究からの科学史アプローチ」とか、「「生きている状態」をどのように理解するか?~理論と実験からのアプローチ~」とか。

私も学生時代は、専門科目よりもこういうオムニバス講義が楽しかったのを思い出しました。

他の国内プログラムの探し方

有名どころを挙げてみましたが、まだまだ探せば国内各地にも「リベラルアーツ教育」を体験できるプログラムや学校はあります。一見「リベラルアーツ教育」には見えなくても、内実はそうである場合も。

もっと探してみたい方には、こちらの全体的なサマーの探し方の記事にも参考リンクを載せています。

オンラインプログラムで「試す」

最後に紹介する方法は、ずばりオンラインです。

こちらは一番選択肢も多く、うまくハマればとても手軽に深い学習体験ができます。

この方法のメリットとデメリットは、次の通り。

メリット
  • 選考が不要のものもある
  • 年齢を問わないものもある
  • 修了書がもらえるものもある
  • 期間や時間帯が柔軟なものもある
  • ほかの方法と比べて安い
  • 移動しなくても受講できるし、移動「しながら」でも受講できるのでスケジュールと合わせやすい
  • 気軽に試しやすい
デメリット
  • 横の交流やつながりが自然発生しづらいので、自主的に仕掛けていく必要がある
  • 自学自習の割合が増えるので、自律的な学習習慣がないひとは脱落しやすい
  • パソコンまわりとインターネット接続のトラブルへの免疫と対応力がないと辛い
  • アウトプットが伴わない場合もあるので、学習内容の定着や展開が課題

オンラインのプログラム例

オンラインのプログラムはピンきりなので、自分に合ったプログラムを見つけるときはこちらの記事も参考にしてみてください。

オンラインでは対面の代替にはなりませんが、どのくらいの思考力や学習量に自分は耐えられるのか試すことで、次回以降のプログラム選びの指標になるかもしれません。

eSummer at Phillips Academy

アメリカの名門ボーディングスクール、フィリップス・アカデミー・アンドーバーのサマースクールです。

もともと対面現地開催のみでしたが、コロナをきっかけにオンラインも同時開催するようになりました。

他校もオンラインをやっていましたが、2023年は対面限定に戻る学校も多いなか、アンドーバーは今年も継続するようですね。

年齢は中1から高3までが対象。

期間は5週間、2023年6月26日〜7月28日。

世界中からの参加者が見込まれるので同時のライブ授業は少なく、時差の影響は少なめです。その一方で、自分ですすめる自立性も必要になります。

英語力に不安がある方にはEnglish Language LearnersというESLプログラムが中3〜高3対象にあります。

参考までに、去年の開催分の概要もご覧ください。

Lawrenceville Summer Scholars

アンドーバーと同じ連盟「テンスクールズ」の仲間のThe Lawrenceville Schoolによるオンライン形式のサマープログラムです。

対象年齢は小6から高3です。英語力への対応はなし。

こちらは2023年7月10日〜7月28日の約3週間、週3日x2つの時間枠で同時受講します。

日本に合っている時間枠でいうと、火・水・金の午前8時~午前11時です。こちらがハマればベスト。

もうひとつの時間枠は月・火・木の午後10時~午前1時。これだと学校との両立もできるかもしれませんが、期末ですし、無理があると思います。

募集要件の詳細が見えないですが、見た限り英語力は相応に求められます。

FaySummer’s Distance Learning English Intensive

こちらは老舗ジュニアボーディングスクール(中3までのボーディングスクール)のサマースクールです。

実はこのFay Schoolの対面サマーには、私もむか〜しむかしに参加したことがあります。25年くらい前に。(毎回計算しては時間の経過におどろきます)

こちらのオンラインサマーもコロナきっかけで始まったもので、特にESL生に特化しています。

対象年齢は10歳~15歳。

期間は2023年7月10日~8月4日の4週間。

日本時間で月曜から金曜の午後8時から12時の開催です。

語学学校でもオンラインサマーがありますが、Fay Schoolは語学学校ではありません。

もちろん英語学習においては語学学校とかぶる内容もあるでしょうが、Fay Schoolには「私立高校のための準備校」としての側面もあるので、それこそ「リベラルアーツ教育」を意識した英語力対策になっていると(私の独断混じりで)いえます。

この年齢で、4週間x週5x一日4時間のオンラインワークについてこれるのか。

私はコロナ中からも疑問なのですが、おそらくできる子がいるんでしょうね。

他のオンラインプログラムの探し方

せっかくオンラインなら、ということであえてアメリカのサマーを挙げてみました。

ここまでガチではない単発のもの、もっと科目特化型のもの、オンラインならではでいろいろあるのでぜひ探索してみてください。

こちらのリンクも参考になるかも↓

どうやって選べばいいの?サマースクール選びの基本

どこからでも学べる!オンライン教育や学習アプリの選び方

もっと小さい子向けの取り組み方

ここからは、どちらかというと「プレ」リベラルアーツ教育的な話です。

一部の子どもを除き、まだ「得意なこと」「やりたいこと」が見つかっていない小中高生がほとんどだと思います。

そうした子の興味の芽を潰さず、なるべくたくさん発芽させて、どれが伸びるかやってみるスタイルの子育てを目指しているのであれば。

適齢になるまで待たずに小さいうちからできることがあります。

我が家の小1と小3の子育てにもその考えを反映させていますので、参考にしてみてください。

まとめ

2022年6月、私はアメリカのカリフォルニアにあるOccidental Collegeという大学のツアーに参加してきました。

Occidentalは、いわゆる「リベラル・アーツ・カレッジ」とカテゴライズされる大学でして、そのときの様子はnoteのマガジン「米ボーディングスクール潜入記録」でも書いております。

この記事を書きながら思っていたのは、中高生が「リベラルアーツ教育」の存在を意識していないと、こういう大学への選択肢すら思い浮かばないだろうなと。

そして、いくら周りの大人がその存在の話をしたとしても、体験してみないと伝わらないだろうなと。

そういう想いをこの記事にぶつけてみました。

ここまで書いておいてなんですが、私はリベラルアーツ全推しではないです。人を選ぶと思いますし、万能ではないです。

リベラルアーツには、学際的で抽象的な思考力も求められるので、ある程度成熟した学習者にフィットするでしょう。

リベラルアーツ教育が学習者を成熟されるのか、

それとも成熟した学習者がリベラルアーツ教育の恩恵を受けられるのか。

これはニワトリかタマゴかみたいな話です。

どちらかが正解ではないです。

また、早期に成熟させたほうがいいというのも偏った考え方だと個人的には思っています。

なにかに関心を持っているときが一番吸収率が高いときです。

ここで紹介した教育プログラムは、単体ではいいものでしょうが、たとえ対象年齢であっても誰かれに勧めることはありません。

参考になりましたら幸いです。

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