ここ2年ほど、新年度にあわせて「我が家の子育て&教育方針」をまとめています。
今年から、いよいよ二人とも小学生になりました。
我が家の子育て方針も、2022年版としてアップデートします。
家族の紹介
まずは、前提として登場人物(家族)を紹介します。

- 東京都内から電車で1時間強ほど離れた千葉県柏市在住の4人世帯(私、夫、息子2人)
- 核家族だが、私も夫も基本在宅勤務かつツーオペ
- 長男は公立小の新三年生。知識欲と向上心と独占欲が強い。寂しがりや。熱血型で、ブルドーザーやダンプトラックに例えられる。
- 次男は公立小の新一年生。愛嬌を自在に操るムードメーカー。癒やしキャラなのに口はめっぽう悪い。一人の自由時間も大好き。
- 私は公立小→国内インター→アメリカ高校→日本の大学(教育学部)という進路をたどった日英バイリンガルです。
- 夫は公立小→私立中高→日本の大学(文系)という進路をたどりましたが、国産の日英バイリンガルです。
夫婦の価値観は一致していない
私と夫の価値観には共有できる部分もたくさんあるのに、実はおどろくほど真逆な部分もあります。
私は「人は自分から変わりたいと思えば変われるけど、他人を変えることはできない」と思っています。子どもに対しても、大人に対しても。
一方で夫は「子どもは教育すれば変わる、変わらない場合は強化するかより良い方法を探せばいい」と思っているフシがあります。
子の自発性を引き出したい私と、子に強制することも辞さない夫。
こんな二人の話し合いは平行線になることが多々あるので、話題にするときは心に余裕が必要です。
夫も私も多少の犠牲を払って今の知識や学歴を獲たのは間違いないので、決して強制力そのものを否定したいわけではありません。
私のやり方や考え方が正しいから同調しろというつもりもありません。
子育てや教育に向かうスタンスは、夫婦間では一致していなくていいと思っています。
多様な考え方があったほうが、よりよい方法が生まれやすくなります。そもそも理解し合えないから、より多くの可能性を探るし、その結果に選択肢がたくさんでてくると考えています。
教育方針や子育ての目標は必要なのか
家庭単位でも個人単位でも、教育方針(もしくは目標)はあったほうがいいと思います。
なぜなら教育方針は、子どもや教育についての決断をしないといけないときの基準になるから。
でも教育方針にこだわる必要はないと思います。
子育てには不確定要素がたくさんあるからです。
- 子どもが成長の過程で必要とする関わり方が変わる
- 家庭や政治経済情勢、公衆衛生状況などで選択肢が変わる
- 子育てと生活を送りながらいろんな刺激を受けて保護者の考えが変わる
などなど。
教育にこだわったところで外的・内的要因で変化や適応を迫られるものです。
でも変化や適応を避けられないからこそ、軸となる考え方を普段から家庭内で共有しておくことが次の一歩を考えるための準備になります。
私たち夫婦の共有の仕方
ちなみにこの記事に書いてあることは、だいたい夫にも共有しています。(少なくとも私はそのつもり)
私は話しながら考えをまとめていくことが多いので、雑談混じりで夫にもこの内容をよく話しています。
一方で、夫は私ほど思考を言語化していく習慣がないので、「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」とこちらから聞いて初めて考える、ということがよくあります。
「普段から考えようよ」と苛立つ人もいるかもしれませんが、私はまったく思いません。
むしろ私のまとまりのない話を聞いてくれたり、問うと考えようとしてくれたり、ちゃんと返事をしてくれるところは、本当にこの人で良かったなと思うところです。たとえその結果、意見が合わなかったとしても。
中卒までに目指す姿
ということで、ここから先は「我が家」というよりも「私」の子育て方針です。
いわば「育児における当面の目標」です。
- 人も自分も大事にできる
- 家事がひと通りでき、留守を任せられる
- 自分の夢や目標があり、調べたり計画を立てるなど動ける
- 英語を読める(割愛しますが、目安レベルも決めています)
- アウトドアやスポーツ、なんでもいいので体を動かすことに抵抗がない
これらの多くは学校や習い事でも身につきますが、どれも家庭での確認と補完が必要です。
以前、10年後の社会を生き抜くために必要な4つの力について書きました。その内容を踏まえてこの目標も見直してみましたが、大きな修正はありませんでした。
子どもにこれらができるようになってほしかったら、まず自分ができていることを確認しよう、と改めて思います。
中学受験に関して
このブログで中学受験について書くのは初めてかもしれないです。
長男は小3になりまして、私も親として中学校の進路をほんのり意識するようになりました。
住んでいる界隈では中学受験も公立進学もどちらもありえます。
都内へも1時間強で出れますし、レベルが高いとされる公立中高も通学圏内です。
そして同じ市内にはなんとイギリス名門のラグビースクールが開校します。
私は仕事や関心柄、よく学校の選択肢について子どもにも話しています。長男がまだ保育園の頃、バリのグリーンスクールを実際に訪れて見せたこともありました。
夫とは、中学から寮にいれるという選択肢もあり得るという話をしています。(私は中3でアメリカの、私の弟妹は中1のときに国内で寮に入りました。)
ただ、特にこうしてほしいという強いこだわりはありません。上に書いた「中卒までに目指す姿」は、どんな学校に行ってもなんとかなると思っています。本人の強い意志があるのなら、究極的には学校に行かなくてもいいくらいです。
私がインターや私立に子どもを入れない理由でも書きましたが、
- 子どもの興味関心や性格
- 家庭の教育的・財務的な方針
- 将来予測
これらが最大のところでクロスする進路を「なるべく先入観なく」探したいと思います。
小学校高学年の本人が「こうしたい」と言い出すまでは、いろんな選択肢を提示しておくに留めます。
期待は裏切られてなんぼ
何度でも念押ししたいのは、これはあくまで「私の」目標であって、子どもたちも夫もこれに協力する義務はないということです。
そして私の目標が達成できるかどうかに限らず、子どもたちはすでに完全な存在で、私が子どもたちを愛している事実は変わりません。
子どもの価値は絶対で、私や夫の期待とは別もの。
子どもは、親の期待を裏切っていいんです。なんなら、裏切ってからがその子自身の人生の始まりです。
この考えは、昔の自分の不安を癒やし、我が子の将来への執着も手放させてくれます。
究極的には子どもたちには、親の顔色を伺わずに幸せになってほしいと願っています。
目標のために実践していること
目標を持つだけでは達成するのは難しいです。
目標を掲げたら、今度はそれにつながる行動を決める必要があります。
そして、行動を決めたら、普段は目標自体はそこまで意識していません。
決めた行動は、なるべく習慣に落とし込みます。
毎日の家庭習慣「基本リスト」
我が家では、子どもにとって大事な「4つのおしごと」を乳幼児の頃から掲げています。
- ねる:毎日20時半には布団入り
- たべる:身体を作るために
- あそぶ:大きい動き、小さい動き、頭の動き、いろいろ含んでいます
- うんちおしっこ:排泄のこと。ゴミを出して、栄養を摂取。
子どもたちはこの4つ「寝る・食べる・遊ぶ・うんちおしっこ」を暗記できるほど聞かされています。
成長段階や生活リズムに併せて、時間や量など定量的な部分は変化していますが、この4つの項目はぶれていません。
自画自賛ですが、私はこのリストはよくできていると思います。
すべて、子どもの健全な成長に過不足なくつながっています。
どれもお金もかからず、ステイホームでもできるし、個人差にも応用できます。
大人になってからも、大事な4つです。
そしてどれも毎日全部できてもおかしくない難易度なのに、意識しないと簡単に崩れてしまう。できない日も、当然あります。
「全部できて当たり前」ではなくて、ひとつでもできていれば花マルです。
しかも家族全員の協力がないとできないことです。全部できたら、家族全員に花マルっ💮
この基本リストがあると子どもを褒めるのは全然難しくありません。
この4つができていると、育児の目標の「自分を大事にする」につながります。
逆にこの4つが崩れると、私の目標どころか、子ども自身が望む成功や幸せも遠のきます。
毎日の家庭習慣「プラスα」
4大おしごとに比べると二の次ですが、そのほかにも日常的な習慣をゆるく設定しています。
今年は次男も小学生に上がったので、去年のバージョンから少しアップデートしました。
- 自分でできることを増やす
- 話す
- 読む
- 観る
- ハマる
どれも、あえて「家庭教育」と名乗るほどのことでないことにもご注目ください。
自分でできることを増やす


これは去年から引き続き。
たとえばこんなこと。
- 食器を下げる
- 下校後の洗い物を出す
- 洗濯物を洗濯機に入れる
- 翌日の予定の準備をする
- 習い事や泊まりの荷物を自分で準備する
- 自分の安全を確保する(交通、防犯、防災)
- 自分の体をきれいに保つ(手洗い、風呂、歯磨きなど)
2021年度を振り返って、子どもたちが特に取り組めたことは
- 嫌なことは「いや、やめて」とはっきりいう
- 自分のおやつを自分で用意する
- 自分の機嫌を自分で取る
自分でできることを自分で、というのは目標にもある「自分を大事にできる」、「家事がひと通りでき、留守を任せられる」につながります。
また、できることが増えて、自信が育つほど、「エンパワーメント(empowerment)」や「オーナーシップ(ownership)」という大事な概念の育成にもつながります。
これらは、いずれ「自分の夢や目標があり、調べたり計画を立てるなど動ける」につながると思っています。
話す


家庭内で会話がたくさんあって、楽しく過ごせること。
ここなら自分の声や意見を聞いてもらえるという安心感。
こうしたことは、家庭の重要な役割だと思います。
それ以外にも、家族以外の人と「話す」のは、いろんな価値観や知識や表現にふれる手段。また、身近な娯楽でもあります。
知らないひととの一期一会の会話。世代を超えても共有できる話題。同世代で遊んだり衝突したり。
知らなかったことや面白かったことは、話せば話すほど定着したり発展したりします。
「話す」には、非言語的なコミュニケーションや関わりも含まれます。
同じ言語や表現方法じゃなくても、誰かと関わりを持つ。それが大事だと思います。

読む


どちらかというと私の「読み聞かせ」が多くを占めています。耳からの読書も、目からの読書も含みます。
「話す」以外に、さらにいろんな価値観や知識や表現に触れられる方法が本です。
本では、架空の世界や人物、歴史上の人物、遠い国の文化などに親しむことができます。
そして、読み聞かせは親子のふれあい時間にもなっています。
私にとっては、読み聞かせは子どもの興味関心や成長を観察する場でもあります。
Twitterでは、図書館の貸し出し記録やお気に入りの本についてつぶやいています。
観る


我が家にはテレビはありませんが、パソコンやタブレットがあります。
そこではチャンネルの制限されたYoutubeやNHK kids、その他のアプリなどを自由に観られるようになっています。
動画やアプリは、おもに語学(英語)や社会の知識にアクセスしやすいですね。
これもまた、新しい知識や表現に触れる方法のひとつです。
もちろんコンテンツによっては学び要素よりも娯楽要素が強いと感じることもありますが、子どもたちが純粋に笑い合っているのを見ると、これも大事な時間だなと感じます。
ここで仕入れた情報やアイディアは、誰かと「話す」ネタにもなります。「面白かったこと」は、誰かに「話したくなること」でもあります。
子どもにとって、「学び」と「遊び」は切り離せません。
ちなみに、視聴時間についてはこれというルールは設けていませんが、上に挙げた「4つのお仕事」が最優先であることは子どもたちも認識しています。
また、端末を使うときの姿勢と距離と休憩時間を守ることは自分の身体を守ることにもつながると言い聞かせて、それを知ったうえでどうするかを自分で決めさせています。
ハマる


大人になるにしたがって、時間を忘れて何かにハマることって減っていきます。
何かにハマれる時期って実は非常に少ない。
人と話したり、本で読んだり、動画で観たりしたことでたくさん仕入れた価値観や知識や表現のなかから、ピンとくるものにハマってみる。
そんな子どもたちを観察していると、兄弟によっても違う部分に気がつくし、同じものに対しても違う反応が出てくるし、とても参考になります。
これがハマるのであれば、あれはどうかな?と次の一手をあれこれ考えては、仮説を検証してみるのも親の楽しみです。
外注している習慣
外注している習慣とは、要するに習い事です。家ではできない、家族では見きれないことは、外注するしかありません。
- 空手(週1)
- テニス(週3)
- オンライン英語(週1)
空手は4歳から始めて、好きで続いています。テニスは父親の影響で始めて好きになり、回数を段階的に増やしてきました。
オンライン英語は今のところが1年以上続いています。(→息子が使っているオンライン英会話)
- 空手(週1)
- テニス(週1)
次男は空手を3歳から始めて、ほそぼそとですが続いています。全身を使うおかげで体幹がしっかりしているのか、テニスでは初回から球を飛ばしまくり、コーチに驚かれていました。
今のところ、二人ともスポーツを楽しんでいます。これは「中卒までに目指す姿」のひとつにもつながっています。
習い事に限らず、二人とも汗だくになることをいとわずに電池が切れるまで外で遊びます。


→年少から試せる送迎皆無の楽ちんオンライン習い事
頻度が低い習慣
- 生の音楽を聞く
- 生でスポーツ観戦
- お祭りなど文化行事
- 美術館や博物館などの社会教育施設見学
- 山村留学(という名の田舎への帰省)
- 多様な景色や地理を見せる
- 多様な生き物や植物に触れる
- 短期集中教室(スキーや水泳)
- 同年代の宿泊型キャンプに参加
- 環境保全活動
- 福祉活動
- 海外経験
- お金を「つかう」「ためる」「ふやす」
- 身体の取り扱いを知る
今年は親戚のお葬式に出ることがあったのですが、子どもがお経のことを「歌」と表現していたのは興味深かったです。不謹慎だったらすみません。
これらの多くは、なるべく実体験も積ませたいことばかりですが、読み聞かせでまかなっている部分も多々あります。
2021年度はどれくらいできたか
長男は小2を修了、次男は保育園を卒園した一年でした。

そして私は11月に海外出張(2週間)があり、コロナ禍とはいえ公私ともに充実した一年を過ごすことができました。
記録も兼ねて、写真で振り返ってみたいと思います。
自分でできることが増えた!
子どもたちはそれぞれの領域でできることを増やしていきました。特に料理の分野では成長が著しかったです。
以前は卵かけご飯止まりでした。











「自分でもできる」「とりあえずやってみよう」と思えたのは、この本のおかげもあるかもしれない。
材料を用意して、計って、混ぜて、オーブンを設定して、やけどしないように焼き上げて、最後に洗い物をシンクにいれるまで、子どもだけでやってくれます。
子どもの「おやつコール」が減ってくれたのも嬉しいです。(自分で作ったほうが早いし楽しいしね)
来年は、洗い物まで完結できるようになってくれるかな〜
生の体験があれこれできた
家族の予定を合わせてなにかをするのは結構大変ですが、やってみると「やってよかった」と思えることが多々あります。
振り返ると今年はスポーツ観戦や博物館、栽培や収穫系のイベントをやっていました。










本当は五輪のチケットもあったんですが、払い戻しに。それでもサッカーと野球の観戦はできましたね。
きれいな景色や地理に触れるのも、やっておいて損はないと思います。




お勉強も少し
この記事では先取りとかお勉強についてはあまり触れていませんね。実際、塾には通っていませんし、先取りもしていません。
でも英語には日常的に触れさせるようにしています。嫌いになられたら困るので、楽しくできる範囲で。→私の早期英語教育に対する考え方
これは次男↓


長男は、もう少し真面目にやるようになりました↓
https://www.mamamayu.com/archives/2298


なにかに意欲的になる姿をたくさん見ることができた
子どもって、どこに行っても行かなくても、大人が提示してもしなくても、自分で遊びを見つける天才です。
子どもを通して発見することがたくさんありました。














ついにお金の教育も始めることができた
小さい頃から貯めている子どもたちのお年玉がまとまった金額になっていたので、そろそろ未成年口座での運用を始めたいと思っていました。
子どもたちにはお金の使いみちがいくつかある、という話をして最終的には「すぐに使わないお金は育てる」という話にまとまりました。
未成年口座を開設し、早速少額で積立の運用を始めました。
少しずつ買い足しているインデックス投信の平均取得価格は、一口あたり13,900円台。それに対して、この記事を書いた日は14,500円台の評価額。
つまり1年で+4%くらい成績です。(たとえば10万円の投資に対して10.4万円の評価が付いている状況)
めちゃくちゃ儲かっているわけではありませんが、銀行預金と比べると段違いです。まだ6歳と8歳なので、時間を味方につければ4%でも化けます。
さて、この1年の様子を見た子どもたち。自分の貯金が増えていることを理解し、まだ投資にまわしていない貯金額を見て、もっと積立額を増やしたいと言ってきました。
少額とはいえ、自分のお金で体感していなかったら、こういう意見すら出てこなかったでしょう。もちろん、言われたとおりに積立額を増やしました。
今は私が選ぶので低リスク低リターン商品にしていますが、いずれは子ども自身が興味を持って、自分で商品とリスクも選べるくらいになってほしい。
未成年のうちからでも、こうして少しずつ主導権を渡していくつもりです。失敗含めて、今やらないでいつやるの?という感じ。
2022年の展望
これからギャングエイジに突入していく長男。
小学校に入学したばかりの次男。
これからも今しかできない体験や感情をたくさん味わってもらいたいと思います。
そして、私も限りある子育て期間を味わい尽くしていきたいです。
教育の常識をアップデートするのに有効な本はこちらです。
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