「子どもの英語勉強法」おすすめの4冊

家庭教育

巷には「子どもの英語勉強法」について書かれた本がたくさんあります。

ネットにも情報は溢れていますが、本には情報がまとまっていて振り返りやすくて重宝します。

でも本の執筆者は保護者、塾の経営者、研究者など立場が様々です。

そのなかでも、「子どもにとって最も効果的な英語勉強法」はどう見極めたらいいのか。

純ジャパ両親を持ちながらバイリンガルになった私の考えをまとめました。(詳しくはプロフィールも見てね)

ここでいう「子ども」とは、「日本で生まれ育ち、周りの環境が主に日本語」の、未就学児から中学生くらいまでの年齢層を想定しています。

長文ですので、早く「おすすめの1冊」が知りたいかたは目次から一番最後に飛んでみてください。

子どもの英語勉強法について書かれた本の3類型

そもそも、子ども英語を取り扱う本は、大きく3つのカテゴリにわけられます。

  1. 研究成果の発表。学術書ともいいます。大学以上の教科書として採用されたり、学術論文に引用されたりする。例えば「第二言語習得と英語科教育法(JACET SLA 研究会編著)」。
  2. 実際に子どもに英語力をつけることに成功した人の個人的体験談。エッセイや実用書、そしてネットにある情報のほとんどはこの分類に入ります。
  3. 1の研究成果をベースに、教材開発や教室運営などの豊富な事例から抽出された成功論。豊富な事例とともに易しい文章と構成で書かれているので、1よりも理解しやすく、また2よりも説得力が高い。新書や実用書に多い。

それぞれのカテゴリ間には明らかな境界線はありません。

たとえば、1と3の間だったり、2と3の間だったりするでしょう。

この記事で取り扱うのは、3のカテゴリの本

3のカテゴリは、「研究結果に基づいた実践事例から抽出された成功論」です。

このタイプの本の著者は、実際に子供英語教育に関する研究や開発をしていたり、教室を主宰していて、いろんな親子と関わり、いろんなケースを体験しています。

つまり、成功者の個人的な体験談について書いている著者(2のカテゴリ)よりもたくさん事例を扱ってきています。

もし最も効果の高い「子どもの英語勉強法」を探しているのであれば、先に読むべきなのは教室関係者や研究開発者の本です。

このような著者の本では、エビデンスと実践事例を効率的に知ることが期待できます。

2のカテゴリは娯楽にとっておく

個人の成功例には偶然や恵まれたケースも混じっていて、その効果を選り分けるのは難しいし非効率的です。

でも、読み物として面白かったり、モチベーションの維持につながったりするので、一概に否定はできません。

ノウハウは別にして、読み物として楽しむのが無難だと思います。

「子どもの英語勉強法」おすすめの4冊

私が情報を得るために本を選ぶときは必ず著者のプロフィールを確認しています。

本に記載されているプロフィールは、その内容に説得力をもたせたり、内容にもっと興味を沸かせてくれたりします。

「効果的な子どもの英語勉強法」について知りたいとき、私が選んだのは次に紹介する4名(冊)です。

著者の背景だけでなく、内容の再現しやすさも確認しながら選書しました。

それぞれの著者プロフィールとおすすめの代表作を出版順に載せます。

また、印象的だったそれぞれの著者のスタンスを示す文章を引用します。

プロフィールは出版当時のものですので現状とは異なる場合があること、ご了承ください。

斉藤 淳『世界最高の子ども英語』

斉藤 淳 (さいとう・じゅん)

Jprep 斉藤塾代表。元イエール大学助教授。元衆議院議員。イエール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。第二言語習得理論(SLA)の知見を最大限に活かした効率的カリキュラム。

著書に「世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法」、「10歳から身につく問い、考え、表現する力」などがあります。

おすすめの代表作

私のおすすめはこちら。

研究報告と実践事例をふんだんに使用していて、再現可能な勉強法が紹介されています。

英語を磨くことは、語学としてだけでなく、他の学力・知力を高めてくれるという考えです。

代表作から引用

英語力は親から子への最良のプレゼント

英語を”正しく”学べば、英語”以外”の力も同時に高まります。

英語力と知性は環境づくりが9割

英語を”自分で”学べる子に育てる

一般的に言われる英語の臨界期は、じつは”あってないようなもの”

最適な語学学習法は、年齢によって変化する

(CEFRでいう)B2を目指してはじめて、お子さんは将来的に英語のメリットを実感できますし、母語でのさまざまな知的作業にも相乗効果が生まれてきます

CEFR B2レベルは、英検でいうと最低でも準一級です。

斉藤さんのほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語より。

小田せつこ『子どもの未来を広げる「おやこえいご」』

小田せつこ(おだ・せつこ)

金城学院大学人間科学部子ども教育学科教授。中学校、小学校の英語教育を志す学生を指導中。東京女子大学文理学部英米文学科卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ MA in TESOL(英語教育学修士)、大阪大学言語文化研究科博士後期課程満期退学。生活に自然に英語を取り込むことで、娘を英語優位、息子を日本語優位の日英バイリンガルに育てる。この方法を再現した0歳からの英語教室「おやこえいごくらぶ」も主宰。

おすすめの代表作

私のおすすめはこちら。

ムリなく、ムダなく、だれでもできるような易しさを感じます。数字や理論が少ないので、そういうのが苦手な方にも読みやすいです。

一方で、具体的な「バイリンガル像」や子ども英語の到達目標については触れられていません。

この本は他の3冊と比べるとちょっと別枠だけど、ゴリゴリ系が苦手な人にはお勧めしたいです。

代表作から引用

英語は親から子どもへのプレゼント

↑一人目の斉藤さんも、同じことを言っていました。

理想は、子どもたちが気付いたときには「生活の一部に英語が当たり前にあった」という環境を作ること

子どもの発達段階に合った英語とのふれあいが大切

英語はチャンスに恵まれる言語

英語は絶対にできたほうがいい

子どもの英語教育はできるだけ早めに始めてほしい

私の提唱する「おやこえいご」のモットーは「ムリなく、ムダなく、18歳でバイリンガルに!」

「おやこえいご」のゴールは、子どもたちを幸せにすること

小田さんの子どもの未来を広げる「おやこえいご」 〜バイリンガルを育てる幼児英語メソッド〜より。

船津徹『世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方』

船津徹(ふなつ・とおる)

明治大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である七田眞氏に師事、英語教材の開発を行う。その後独立し、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立。 英語力、コミュニケーション力、論理思考力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを開発。

著書に「失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方」「すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。」「世界標準の子育て」「移民の国アメリカ最先端の英語習得法」などがあります。

おすすめの代表作

私のおすすめはこちら。

日本人の英語力に対する危機感を煽り、ぴりっと締める感じで動機づけはバッチリです。方法論も明解で具体的で、再現しやすい。リーディングを重視している印象です。

目標を具体的に示していますが、「高校のうちに英検準一級相当」と、高めです。でもこれは1冊目の斉藤さんと同じ。

他の3冊と違って、横書きなので英文と和文が混在していても違和感が少ないです。

代表作から引用

20年後の日本人に最も要求されるスキル…1つは激化する競争に負けない「メンタルタフネス」。そしてもう1つが「英語」

これからは、日本国内で仕事をする人でも、英語とは直接関わりのない職業に就く人でも、その分野で活躍したければ英語ができなければ

「リーディング力の育成」をゴールに据え、言語吸収能力の著しい幼児期から小学校時代に適切な指導を与えれば、必ずどの子も、高度な英語力を達成することができる

英語学習はスタートする年齢よりも、何を学習するかが重要

日本国内で英語教育を成功させる、3つの目標…
1.CEFR B2レベル達成
2.リーディング力の獲得(Lexile指数で1000L, ハリーポッターを原語で読める程度)
3.8〜10年の学習期間

海外留学をせず、家庭学習のみで、中学〜高校時代に「CEFR B2レベル

CEFR B2レベルは、英検でいうと最低でも準一級です。

船津徹さんの世界で活躍する子の<英語力>の育て方より。

船津洋『子供の英語「超効率」勉強法』

船津洋(ふなつ・ひろし)

株式会社児童英語研究所代表取締役社長。上智大学外国語学部英語学科卒業(言語学専攻)。七田眞氏に従事し、30年以上にわたり幼児教室や通信教育などの業務を通じて子どもの英語教育と発達研究に携わる。英語インプット教材の「パルキッズ」を開発。

著書に「たった「80単語」!読むだけで「英語脳」になる本」など

※前述の船津徹さんと船津洋さんは実の兄弟だそうです。

代表作から引用

私のおすすめはこちら。

実践と実績に基づいて説得してくる文章です。

当面の目標は低めで、他3冊と比べると「これならできるかも」感じられます。

著者のスタンス

英語ができる人とできない人の違いは「インプット」に成功しているか否か

早期の英語教育への投資ほど、費用対効果の高い投資はありません

黄金期は幼児期

小学生で英検準2級を当面のゴールに

学習開始年齢、性別、兄弟関係などで「最適な」勉強法は変わる

船津洋さんの10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法より。

結局どの「子ども英語勉強法」がいいのか

結局のところ、一番共感できる著者が一番実践しやすいのではないでしょうか。実践が続かないと、意味がないので。

どの著者にも共通しているのは、「年齢や発達段階に合った方法と環境づくり」が大事だということです。

この4冊のなかで、方法論と実践例が豊富なのは斉藤さんの『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』か、船津徹さんの『世界で活躍する子の<英語力>の育て方』です。

カードやポスターなどの教材探しや制作が苦にならない場合は、船津徹さん船津洋さんの情報を活用しやすいでしょう。

一方で、ウェブサイトやアプリを活用するほうが好きな場合は、斉藤さんがおすすめです。

色々有りすぎると迷ってしまうようでしたら、小田さんの『子どもの未来を広げる「おやこえいご」 〜バイリンガルを育てる幼児英語メソッド〜』です。

小田さんが提唱しているのはおもに動画と幼児英語教室で、比較的シンプルです。

この四人全員に共通しているのは、英語レベルが一定以上に上がるとリーディングを自分で進めるステージが待っているということです。つまり、洋書を入手する必要があります。

また、小学校高学年以降は海外との接点をつくり、英語の価値を実感させることも推奨されています。

私も、我が家の教育方針に関する記事で「海外経験」について触れています。

切っても切れないお金と教育の関係

英語教育にはどうしても出費が発生します。

小田さんは、英語教育にかかるお金として次の3種類を挙げています。

①教材にかかるお金

②レッスンにかかるお金

イベント・海外経験にかかるお金

このなかでも①はなるべく小さくし、②も適正価格に抑えて、小学校低学年以降で③を使うことを提唱しています。

英語教育は長距離走です。遠くの目標に向かって、小さな一歩でもいいので、焦らずに「ムリなく、ムダなく」動き続けることが結局は近道なのでしょう。

繰り返しますが、続けられることが一番です。

あえておすすめするなら、この一冊

斉藤さんの『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』です。

この本が出てきた2017年、私はちょうど留学業界に転職したばかりでした。

当時の仕事は、子どもの英語力に関心が高い家庭の親子留学やジュニア留学の斡旋。私自身も未就学児を二人抱え、ちょうど公私ともに子ども英語への関心が高まっているときでした。

そんななかでこの本に出会い、これからの子ども英語は少し楽になったなと衝撃と安堵を同時に覚えたのです。

私は教育熱心な母のおかげで、純ジャパでありながら日英バイリンガルになりましたが、それは茨の道でした。(別記事でインター時代の話も書いています。)

この記事で紹介している本はどれも素晴らしいのですが、どれか一冊手に取るならまずはこれを最初に読んでほしいです。

もしこの内容で「子ども英語は大変だ」と感じるのであれば、手を出さないほうがいいかもしれません。

それくらい、この本が出てから先は実践しやすい情報や選択肢がたくさん出てきて、調べ物が楽になり、子ども英語はますますやりやすくなってきているように感じます。

ストイックな方にも、のんびりめな方にもおすすめできるオールラウンダーな本です。

長男がここ2年以上利用しているのは、Novakid(ノバキッド)という子ども向けオンライン英会話です。

オンラインなので送迎不要。ゲーム感覚の教材もすべてデジタルで完結。講師は全員が有資格者で、事前に動画やプロフィールを見て予約ができます。

おすすめポイント
  • 4歳から12歳向け
  • アプリのダウンロード不要
  • 教材もオンライン完結
  • 1回25分のレッスン
とりあえず無料で体験すべし

2年以上続いている息子の体験記はこちら

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このサイトでは、著者(はぎわら まゆ)の実践と経験に基づいて厳選された教育・子育て情報を私見とともにご紹介しています。

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